びいだま
ユウはうつむいたままつぶやいて、しばらく考えた後、ゆっくり息を吐き出した。
「今は・・・やっぱりマアコが心配・・・ってことと・・・」
「うん」
「後は・・・・なんかもやもやしてんだ」
「・・・うん」
「事故の後からずっと・・・もやもやしてるけど、それがなんだかわかんねー・・・けど、それを言うと、周りがすげー・・・気を張ってんのがわかる、つーか・・・余計に心配かけてんな、って・・・・・」
「・・・・・」
ユウが言葉を確かめながらつぶやくその一言一言に、ぐっ、と胸がつまった。
そういえば・・・事故の後、ユウの気持ちを聞くことがなかったよね。
ごめんね。
辛かったね・・・・。
「え?」
驚いたような表情をして、ユウが私を見つめた。
「なんで・・・・大橋さんが泣いてんの?」