びいだま

「こんにちは」


今日も、病室の扉を開ける。


マアコのお母さんが、マアコの肩をとんとんとやさしくなでながら



「マアコ、果歩ちゃん来てくれたわよ」



と言ってにこっと笑いながら病室を出て行った。



勝手だよ、ってこの間もコマキは怒ってたけど・・・


でも、私。


マアコのお母さんの気持ちがわかるんだ。



一番大事だから、何を傷つけても守りたい、ってそれだけ必死なんだよ。


私は、ユウがやっぱり大事だったから、大切だったから、守りたかったんだ。


たとえ傷つくのが自分でも。



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