びいだま

ざぁっ、と緑の葉っぱを揺らして吹き通る風に、枕もとの写真が飛ばされそうになって、思わず手を伸ばした。



「ちょっと、寒い?少し、閉めるね」



立ち上がった窓の近く。



サイドテーブルの上を何気なく見ると、きっとお母さんが見てたのかな・・・ユウジの写真が大きくのった雑誌が置いてある。



そこには、ユウがモデルの女の子にキスをしながらこっちをみてる写真。


タイトルには、2人のプライベートな交際をにおわせる文句が並んでる。



・・・・もう、傷つきもしない。



私は立ち上がったままつぶやいた。



「ユウは・・・・忙しいみたいだね。ホントに・・・・変わっちゃったのかなぁ・・・」



もう、本当に・・・・・



私の名前を呼んで、甘い言葉をささやいてくれたあのユウは・・・・



「果歩!」



え・・・・・っ?




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