びいだま

一瞬時が戻ったかと思ったのに・・・・


振り返ると、そこにいたのは瑞貴、だった。彼は扉に手をかけたまま私を見てふわりと笑った。



「瑞貴・・・・」


「久しぶり・・・なに?また写真持ってきたの?」


「うん・・・・まだまだ下手くそだけど・・・・」


「そんなことねーよ・・・・」



そう言いながら瑞貴はマアコの枕元に、これ今日の?と言いながら手を伸ばした。



「・・・・恥ずかしい・・・ぶれてるからあんまり見ないで?」


「いや・・・・すごくいいと思うよ。上手くなってるじゃん」


「そうかな・・・そうだと、嬉しいけど」



不思議だな。


瑞貴と会うのももう2週間ほどぶりなのに、全然距離を感じない。


「瑞貴は?」


珍しいね、こんな時間に病院なんて・・・・と続けると、彼は少し照れたように笑った。



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