びいだま
「あさって、マアコの誕生日だろ?・・・・けど明日から遠征に出るから今日中にマアコにお祝いをしようと思って」
「そっか・・・・」
「けど・・・もうひとつ」
「え?」
「この時間なら果歩が来てるかな、ってちょっと、思った」
「・・・・・」
一瞬目を伏せた瑞貴は、すぐに顔を上げてわらってみせた。
「なかなか会えないもんな。久しぶりだし」
「そ、そうだね・・・」
なんか・・・やっぱり瑞貴の「間」は心の奥をどきんとさせる。
だけど、そんな感覚さえなんだかセピア色の向こうに遠く感じて私は窓をそっと閉めた。