びいだま

「果歩、これからなんか予定ある?」


「え?」


「あ、いや・・・・・コマキも誘って久しぶりにご飯でもどうかな、って」



「うんっ。行きたい!」



両手をあわせて顔の前に持ってきた私を、瑞貴は少しびっくりしたように目を見開いてから、嬉しそうに笑った。



「・・・・どしたの?」


「いや・・・・久しぶりに見たなぁ、って。果歩のはしゃぐとこ」


「あ・・・ハハ・・・大人げない、ってこと、かな?それはもしかして」


「そんなこと言ってるんじゃないよ・・・・果歩はそれでいいんだよ。それで」


「私も一応、女子大生なんですけどぉ~・・・」



ぷぅ、とふくらませた頬を、彼はちょんとつついておかしそうにおなかをかかえた。



「女子大生が、ほっぺをふくらませたりしないだろ~・・・アハハ」


「・・・・もう、いいよっ!」


「ごめんごめん・・・・いや、本当は、びっくりしてるよ。女の子ってこんなに変わるんだなぁ、って・・・化粧とか服とか・・・」



まぶしそうに目を細めた瑞貴に、なんか・・・すごく急に照れてしまう。



「・・・って俺やばくね?オヤジすぎるだろ、今の。ごめんっ、忘れて!」



両手を合わせてお願いのポーズをする瑞貴に、私もまた笑った。



本当に・・・・こんなの久しぶり。


瑞貴は、すごいね。


超能力者みたい。



しばらくたまってたもやもやが今だけでも忘れられたような気がする。


ありがとう。





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