びいだま
けど・・・・
「瑞貴・・・・やっぱり今はダメ・・・・」
唇が触れる瞬間、つぶやいた言葉に、瑞貴はふっ、と息をついて私の肩を離した。
「ごめん・・・・」
「瑞貴が謝らないで・・・・私がまだ・・・」
「果歩。遠征から帰ってきたら、また会ってくれる?」
私の言葉をさえぎる瑞貴の言葉に、彼の瞳を見ながら小さく頷いた。
「別に、今さらあせんないよ。ゆっくり考えてみて?」
そう言って笑って見せた瑞貴は、いつもの彼に戻ってた。
「瑞貴・・・・」
胸が痛くなるくらいの優しさを、いつもいつも惜しみなく私にくれる。
ありがとう。
いつも、ごめんね。
ごめんね・・・・。