びいだま
セツナイKiss
翌日、マアコの病室。
「誕生日おめでとう」
そうつぶやくと、彼女が今にも「ありがとうっ」って笑うような気がした。
朝・・・・瑞貴からメールが来てた。
昨日の内容なんて全然書いてなかったけど・・・・
ただ、普通の「行って来ます!」メールだったんだけど・・・・。
「マアコ・・・・どうしたらいいのかな・・・・」
そう問いかけても、マアコは静かな息をたてて眠り続けてるだけ。
あ、そうだ・・・・。
私は、カバンを引き寄せて中から写真を取り出した。
「今朝ね、すごいきれいな虹がかかってたんだよ」
朝、目が覚めて、窓越しに見えた虹に。思わずシャッターを切ったんだ。
「やっぱりぶれてる・・・」
写真で見ると、虹が少しにじんでるように見えた。
ごめんね、と言いながら、マアコの枕元にそっとそれを置いたんだ。