びいだま

ユウが、視線をこわばらせるようにして見つめるその厳しい視線を感じるけれど、私は構わず言葉を続けた。



「今のユウはヘンだよ。なんか・・・前の悠司くんじゃ・・・・・」


「あぁ!?」



ダンッ!



その瞬間背中に軽く衝撃を受けて、見上げると、



ユウが、荒く息をつく横顔が見えた。



そして、すぐに、私が背中を壁に押し当てられてるということがわかる。



「ゆ・・・」

「カホは・・・・」




・・・・え?



ふいに呼ばれた自分の名前にもう一度顔を上げると、ユウは少し目を大きくして、まるで自分の口から今出た言葉に驚いてるように見えた。


けれど、それは一瞬で、彼は息を吸い込んで口を開いた。



「・・・・大橋さんには、関係ないことだし」




ユウ、おかしいよ。


じゃぁ、どうして、今このときも、そんなに傷ついた表情を見せるの?



ユウ、笑って?


笑ってよ。


笑って・・・・・。




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