びいだま
流れ行くもの
あんなさんから撮影の見学に誘われたのは、そのことがあってから1週間後だった。
「もしかしたら、悠司が来るかもしれない」
と添えられた言葉に、かなり迷ったのは事実だったけど、私は机の上のビー玉の瓶を見ながら「行きます」と答えたんだ。
・・・・・今日の夜に、瑞貴が帰ってくる。
迷ってるこの気持ちを、どんなカタチにしろ踏ん切りをつけたい、って心から思ったんだ。
瑞貴には、絶対にウソをつきたくない、って思うから。
・・・・ちゃんと、踏ん切りをつけてから、答えをだしたい、ってそう思うから。
唇を少しかんでから、ビー玉の瓶をつかむと、私は部屋を出た。