びいだま

あの~~・・・・それはいったいどういうことですか?コマキさん。


「ほら、私は王子様をここで待ってるからさ。先に果歩と垣っちでお店まわってきてよ」


「ちょ、ちょっと、コマキ~!」


「ほら早く行って。てか、王子と私の邪魔はしないで!」


「邪魔、って・・・・」


背中を押されるけど・・・でも・・・・・ユウが・・・


「行こ。果歩」


「え・・・」


小さくため息をついて歩き出したユウは、一瞬立ち止まって再び私たちを見つめた。


「行かないの?」


「う、うん。行くっ!」


走り出そうとする私をぎゅっ、とつかまえてコマキが耳元で小さくつぶやいた。


「チャンスだよ!私たちなるべく会わない様にしてあげるから」


「え?」


あわててコマキをみると、彼女は嬉しそうな笑顔で手を振ってた。


「果歩?」


向こうからユウに名前を呼ばれて、後ろ髪を少しひかれつつ彼の元に走ったんだ。


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