びいだま
「果歩・・・・・痛くない?」
「うん・・・大丈夫だよ。瑞貴・・・・ごめんね?・・・・てか、なんでいるの?」
「なんで、じゃねーよ・・・帰ってきたよ、ってメール入れただろ?」
そう言いながら、彼は困ったように眉を下げた。
「え?」
「やっぱ気づいてねぇのかよ・・・。ま、びっくりさせたくて、コマキに聞いてここに来たんだけどな」
そう言って少し笑いかけて瑞貴は、私の手のひらを両手で包み、はー、と深くため息をついた。
「すげー・・・・びっくりした・・・・心臓が、止まるかと思った・・・」
「・・・・ごめん」
そう言って目を伏せた私の頭を、そっと触れたのは大きな暖かい手のひら。
「けど・・・・やっぱりわかった」
「・・・・・?」