びいだま

それでも・・・・


スーパーボール。


たこ焼きに、お好み焼き。


とうもろこし。


あー!!テンションあがる~~っ!!


「ほら、見て見て!ユウ、懐かしい~~!」


ユウの制服をひっぱって覗き込んだ屋台に並んだ色とりどりの飴玉。


子供の頃、これが欲しくて、お祭りにつれてきてもらったっけ。


「・・・・・おじさん、一袋ちょうだい」


隣のユウの声に思わず顔を上げると、彼の手に下がった飴玉の袋がくるくるとまわってた。


「ん」


差し出された袋に、驚いてユウの顔を見ると、私の手におしつけるようにその紐をにぎらせてユウはまた先を歩き出した。


・・・・やっぱり、嫌になるくらい、優しいなぁ。


嫌になれるものならなりたいくらい、どんどん・・・好きになってくよ。


ユウの背中をみながら指先の紐をもちあげると、袋の中の飴玉がキラキラと屋台の光に輝いてた。


それは、きっと、私の気持ち。


抑えたくても、抑えられない・・・・私の初恋そのもの。



・・・・・ユウ、好きだよ。









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