びいだま
「あれ・・・・やっぱり果歩ちゃん来てたんだぁ~・・・・」
そう笑いながらあんなさんは椅子に腰をかけた。
そして、カバンを隣のテーブルに置きながら、あんなさんは私の手元の写真を見つめた。
「・・・・もしかしてそれ、悠司の?」
「あ・・・はい・・・・・」
「そっか~・・・・」
ユウがいなくなって3ヶ月がすぎた。
あんなさんとは時々会ったりしてるけど、このごろはお互いにユウの話題を避けてるところもある。
かなしすぎるんだ。
やるせなさすぎる・・・。
「・・・・そこにうつってるの・・・・もしかして、あの教会?」
「はい。そうみたいです・・・・」
写真をみつめた私に、あんなさんはため息をついた。
「その教会ね、取り壊しが決まったって・・・。老朽化が進んでて・・・・・つい10日ほど前に工事が始まったみたいだよ」
「え・・・・っ?」
思わず漏らした驚きの言葉は、マアコと重なった。