びいだま

・・・・・夢を見ていた。


いつか歩いたあの草原広がる広い道をずーっと歩いてる。


私のほかには誰もいなくて。


どっちに向ってるのか、何に向ってるのか全然わからないんだけど、


歩かなきゃ、って。


どうしても、行かなきゃ、って・・・。


本当はすごく心細いんだけど、


寂しいんだけど、


ずっとずっと何度も何度も魔法の呪文のように何かをつぶやいてる。


それは何の言葉か全然わからないんだけど・・・・


私は・・・何を言ってるの?


何を、そんなに大事に・・・・大事に・・・・・・



『・・・・』


まぶしい太陽を見上げると、かすかに聞こえる音がもう少し大きく聞こえたような気がした。


『・・・・・・・っ!』


なんの・・・音だろう。


なんの・・・・・音・・・・声?


あぁ・・・もう少しで着けるのかな。もう少し、あと・・・少し。



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