びいだま
しばらく言葉を止めたユウは、搾り出すように低く声を出した。
「瑞貴が・・・すげぇ、悲しむから」
・・・瑞貴?
「なんで?」
「なんでって・・・瑞貴がお前のこと好きだからだろ?好きな奴が・・・いなくなったら・・・・すげぇ・・・寂しいと、思うから」
瑞貴は、彼女がいるはずでしょ?
私の心の声が聞こえるかのように、ユウはため息と共に言葉を続けた。
「あいつは、まだお前のことが好きだよ」
「そんなわけ・・・・」
「友達だから・・・・・、親友だから・・・わかる」
「ユウ・・・・」
ユウ・・・・、ユウ・・・・。
必死で首を横に振って、ユウの後姿を見つめた。
私が聞きたいのは、そんな答えじゃないよ。
そんなのじゃない。
ユウ・・・。
「私は・・・・」
その時こっちをやっと見たユウの顔は、オレンジ色の光をバックにうけて、どんな表情をしてるのかわからない。
けど、そのほうがいい。
今は、そのほうがいい・・・。
「私は・・・私が好きなのは、ユウなのに・・・・ユウ、なんだよ?」