びいだま
2nd. Heart
夏休み
「あつ〜〜〜〜」
机に突っ伏したコマキをつついて、ふと目をやったのは窓の外。
「な〜〜んで、夏休みまでお勉強、しなきゃなんないのか、ってことだよね!?」
「ん〜〜〜・・・・」
今日はグラウンドの上には誰もいなくて、ただギラギラと太陽を照らし返してるだけ。
今朝、ニュースで今日が今シーズンの最高気温をマークするでしょう、って言ってたもんな〜・・・けど、それってひとつの夏が終わるまで何度も何度も耳にする言葉だから、一体どれが「最高」なのか、いまひとつぴんとこないんだよね・・・。
「かーほ」
「ん〜〜?」
セミの声の中、うちわを仰ぎながらコマキがため息をついた。
「補習なんてやってられないよ〜・・・ね、ふけよ?」
「だーめ。先生におこられたばっかじゃん。短期部にいけないぞ、って」
そう、私たちの通ってる高校には、上に大学部と短期大学部があって、よほどの成績を撮らない限り、エスカレーター式にそこにあがることができるという、大変有難い制度がある。
だから、高校3年にもなって学園祭のスタッフができるとか、ぎりぎりまで部活動ができるとか、いろいろ自由にさせてもらえるってわけで。
ただ・・・・
「コマキは遊びすぎ!やばいんだから、自覚もって!!」
「え〜〜〜ん」
コマキに付き合って、別に予定もない夏休みの一日、私たちがいるのは学校の教室の中。