びいだま
一目でわかった。
色素がないんじゃないか、って思うくらいの白い肌に、薄い茶色の髪の毛がふわふわと軽やかにあたってる。
色が白いから・・・ほんのりピンク色の唇が桜の花びらみたいに見える。
うん。
本当に・・・花びらみたいな、女の子だと・・・思った。
「マアコ・・・・」
ちいさくつぶやいた私の言葉に、コマキが
「あれが、マアコ?」
と繰り返した。
一瞬その女の子と目があったような気がして、私は思わずすぐに顔を背けた。
「ごめん・・・コマキ、やっぱり帰る」
「う、うん・・・」
何かを感じてくれたのか、コマキはそれだけ言って私と同じようにくるりと向きを変えた。
その時・・・・
「もしかして・・・・・・・カホちゃん?」
少し細くて、高い声が私たちを追いかけた。
瞬間、足がすくんだように止まる。
今・・・・私の名前・・・。
ゆっくり振り返ると、彼女が花のように笑ってた。