びいだま

「やっぱり、カホちゃんだ~・・・・」


車椅子を手で動かして近づいてくる彼女の姿は、



あぁ・・・・本当に妖精みたいだな、って思った。

昔見た絵本の中のお花の妖精。

小さい頃、真似をしたくて、ビニールの風呂敷を手にして妖精ごっこ、してたっけ。

ほんとうに・・・あのイメージのまんまだ。



「カホちゃん・・・だよね」


私の目の前に来た彼女の頬は最初見たときよりもピンクが濃くなっていた。



思わずつい言葉が出た。


「大丈夫、ですか?」


「うん!・・・・でもユウや瑞貴には怒られるかもね!だから内緒!」



そう言って、人差し指を口の前に持ってきた彼女は、

すごく可愛くて、きっと男の子なら絶対に好きになる、ってそう思った。



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