びいだま

「・・・・」


一瞬はさまれた沈黙を、またもやコマキが救ってくれる。




「そういえばさ~~・・・マアコちゃんに聞いたよ?王子が一番サッカー下手だったって」


「はぁ?・・・・マアコ!!」




瑞貴がマアコを軽くにらむと、彼女は少しすました顔で続けた。




「だって、本当のことでしょ?それとね~・・・瑞貴はこう見えて・・・」


「わ~~!!やめろっ!」




瑞貴王子が、取り乱す姿・・・・学校の女の子達が見たらきっとびっくりするだろうな。



「他にもいろんな話、したんだよ」


「どんなだよ」



瑞貴が堪忍したように、ため息をついて聞くと、彼女は白くて細長い人差し指をそっと口に当てて、




「内緒、だよね?」



と言いながら、私たちを見てくしゃくしゃと笑った。



あ・・・・・



きっと、こんな感じだったのかな、って。


少しイタズラそうな笑顔。


皆で木登りしたりサッカーしたりしてたマアコの姿が今ようやく想像が出来たような気がした。





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