びいだま
それにしても・・・
瑞貴は・・・やっぱり王子様、なんだねぇ。
さっきからちらちらと通り過ぎてく女の子が振り返る。
なんか・・・・歩きにくいなぁ。
「瑞貴、いつもこうなの?」
「あ?・・・・う~~ん・・・どうかな」
「・・・・なんか大変だね」
「そんなことねぇよ。俺いつもはすげー暗いし」
「そうなの?」
なんだか、意外。
瑞貴はいつもニコニコしてるイメージがあったから。
ほら、今もさわやかなスマイル。
「今は特別」
「特別・・・・?なんで?」
きょとんとした私を見て、瑞貴は私のおでこをびしっ、と軽く叩いてぶつぶつ文句を言う。
「ったく、どいつもこいつも、鈍すぎ・・・・・・」
「瑞貴?」
「なんでもない。ほら、次どっち?」
「??そこの角を左・・・・」
「オッケー」
変な瑞貴・・・・。