びいだま
「マアコがはじめて入院したのって、いつくらいだったかなぁ・・・・・・中学入る頃には、出たり入ったりがもう当たり前になってたんだ」
中学の頃から・・・・。
「病気なんて無縁だと思ってたからさ、特に一番風邪とかひかなかったのマアコだったしな。バカは風邪ひかねーんだ、なんつって俺もユウもマアコのこと馬鹿にしては、よく殴られてた」
「マアコに?」
あの、花の妖精のマアコが?
目を丸くした私を振り返りながら、瑞貴はうんと神妙に頷いた。
「マアコは最強だったからな」
「アハハハッ」
「けど・・・・」
と、一旦言葉を切って、瑞貴は大きく息を吐いた。
「急に病院に入院してから、それが当たり前みたいになっちまって・・・・・・俺もユウも正直どうしていいのかわからなかったんだ」
中学そこそこの男の子には、それは当然だよ・・・・。
「学校の行事にもほとんど参加できなかったマアコが言ったんだ。『お星様とお花畑がいーっぱいみれるところに行きたいな』って・・・・・」
「うん」
「俺は正直、そんなに深くは考えてなかったんだ。けど・・・・けどユウは違ってた」
「・・・・・・」