びいだま
「パニックになってたマアコの母親に、あんたのせいよ、って・・・・。多分・・・それまでの看病疲れも出てしまったんだろうな・・・・あんたたちがいなければ、って・・・・」
「ひどい・・・・」
「普段は本当に、優しいお母さんだったんだ。もちろん、その後、言いすぎた、って俺にもユウにも頭を下げてくれたよ。マアコが入院してるのは俺らのせいじゃないから、って。でもさ、その時ユウが言ったんだ。
『いえ、俺のせいです。責任を取らせてください』
って、中学1年のユウが拳をつくって、涙を何度も何度も拭いながらマアコのお母さんに言ったんだ・・・・」
ユウ・・・・。
「あいつは・・・・バカだ」
つぶやく瑞貴の声に、こらえきれない熱いものが喉の奥をキューッと絞りだした。
ユウや、瑞貴の気持ち、そしてマアコの気持ちを思うと・・・・言葉にはならない。
言葉になんて、出来ない。
そんなすべを、わたしはしらない。