びいだま
私たちは、講堂の外の壁際に腰を下ろした。
「ちょ、果歩。どうしたの・・・・って・・・王子のこと?」
「ん・・・・どうしていいのか、わからないんだ・・・」
あの日から・・・・夏休み中、時々サッカー部の練習で見かけることはあっても、会ってしゃべることとか、全然してない。
てか・・・・できなかった。
「もったいないなぁ~・・・・って思うけどね。王子は見た目以上にいい人だし・・・」
うん。それは、絶対にそう思う。
けど・・・・正直、王子を見ると彼の存在を思い出してしまうのは・・・・次の恋をはじめるには致命的だと思われ・・・。
「どうしても、好きをやめられないのって、あるよね・・・・」
コマキは晴れた青空を仰いでつぶやいた。