びいだま
友達として
それでも・・・・
「いいかげん、告っちゃえばいいのに」
呆れたようにつぶやくコマキを横に、今日も窓からフェンスの向こうの彼をお見送り。
「だって・・・・もしかして・・・彼女がいたりさ、するかもしれないし」
「ハハハ・・・ないない!」
コマキは窓に背中をもたれさせて笑った。
ううっ・・・そんなに言い切られるとそれはそれで少しムッ、とするんですけど。
「わかんないじゃん!」
少し語気を強めた私をちらっ、と見てから天井を見上げてコマキは言葉を続けた。
「いないんだって。垣内と同中の女の子に聞いたよ?」
え・・・・?
「でさ、なんと!あの王子と垣内って小学校から一緒らしいよ!」
なんて?
いやいや、後半の情報はどうでもいいんだけど、さっき・・・
「彼女、いないの?」
私が思わずつかんだ制服の裾を見て、コマキは面倒くさそうにうんうん、とうなづいた。