びいだま

始業式の後、ホームルームで、早速コマキのガッツポーズが炸裂。


「早速ですが、学園祭スタッフになった人は、放課後集まってください」


クラス委員の声に、後ろを振り返ったコマキは私に片目をつむって見せた。



ハハハ・・・・



放課後、案の定、時間より少し前に指定された教室に向かう私たち。



「・・・・なんか、張り切りすぎ・・・・じゃない?」



「何言ってんの?結構学園祭のスタッフも人気があるって、果歩も知ってるでしょ?」



「あ・・・・あぁ。主に女子に、でしょ?」



そう、この学校の学園祭は、上にある短大部・大学部と日程を重ねることで、スタッフ同士の交流もあるとか、ないとか・・・・。



「じゃぁ、もしかして・・・・コマキ・・・」


「そう!悲しいかな、やっぱり私が狙いたいのは年上。いわくつきじゃないやつね。大学部のかっこいい先輩とお近づきになれればな~、なんて」



そう言いながらコマキが、ガラッ、と扉を開けると・・・


あれ?


時間よりまだ先なのに・・・・



「こんなに女の子、いたっけ?」



< 90 / 486 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop