びいだま
「悪いけど、それが頼まれたことでも俺、もう女の子にやさしくするのは、やめたんだ」
「堀部くん、そ、そんな重く考えなくても・・・・軽い気持ちで受けてくれれば・・・」
司会の男の子が少し焦ったように言う言葉に、女の子達もうんうん、と頷いている。
そんな雰囲気の中、瑞貴は言葉を続けた。
「好きな女の子にしか優しくしないことに、決めたから。もちろん裏方の仕事はなんでもする」
その瑞貴の一言に、ため息のような歓声が漏れる。
瑞貴・・・・。
「・・・・バカだねぇ・・・自分で高感度またあげちゃってるし」
コマキが頬杖をつきながら瑞貴を見てため息をついた。
私は何も言えずに、ドクンドクンと・・・胸が鳴り出したのをごまかすように、窓を見つめた。