本当はね、大好き。
6月4日
私とあいつが初めて会った日。
満員電車の中
私はいつものように単語帳とにらめっこ。
いつになく
電車が大きく揺れて
わたしがよろけたとき
捕まるものが見つからなくて
必死に捕まったのが
あいつの背中だった。
結局、二人して電車の中で倒れちゃったんだけど。
周りの注目を浴びる中
やっばー、どうしよう。
まじはずかしすぎる。
って思ってたときに
あいつは
ごめんねと謝ってきた。
そして
だいじょうぶ?って心配してきた。
勝手につかんだわたしが悪いのに
被害者はあいつなのに。
そんなこと言われたら
余計はずかしいじゃん。
でも、その優しさに
世の中捨てたもんじゃないと思ったよ。