本当はね、大好き。

6月4日

私とあいつが初めて会った日。

満員電車の中

私はいつものように単語帳とにらめっこ。

いつになく

電車が大きく揺れて

わたしがよろけたとき

捕まるものが見つからなくて

必死に捕まったのが

あいつの背中だった。

結局、二人して電車の中で倒れちゃったんだけど。

周りの注目を浴びる中

やっばー、どうしよう。

まじはずかしすぎる。

って思ってたときに

あいつは

ごめんねと謝ってきた。

そして

だいじょうぶ?って心配してきた。

勝手につかんだわたしが悪いのに

被害者はあいつなのに。

そんなこと言われたら

余計はずかしいじゃん。



でも、その優しさに

世の中捨てたもんじゃないと思ったよ。




< 2 / 9 >

この作品をシェア

pagetop