光輪学院高等部・『オカルト研究部』
「あたしも大丈夫!」

「オレも平気です。良く聞こえます」

「オーケー。問題みたいですね」

依琉が手を上げ、全員は再び席に戻った。

「手順は分かっていると思うけど、九曜クンは今回がはじめてだからね。一緒に行動する神無月クンはサポートよろしく」

「分かっていますよ、部長」

「…くれぐれも逃げ出さないようにね?」

「逃げ出せないのにどうやって? 私の<言霊>だけでは逃げれませんよ」

そう言ってむくれた神無月は、ふいっと向こうを向いた。

「まぁまぁ、かんちゃん。それより部長~。やっぱり『今年も』なの?」

「『毎年』だね。避けられた事例が無いよ」

そう言った榊の目には、鋭い光が宿る。

「逃げられない、と言うよりは避けられないね。オカルト研究部が別名・『封話部』と呼ばれる所以…。それが今日のことだからね」

「毎年毎年、アチラもよく飽きませんね」

「飽きるワケ無いでしょう? アチラ、なんだから」

「めんどくさいねぇ」

「厄介なだけですよ」

「まあまあ。アチラがいなくちゃ僕等、オカルト研究部の意味が無くなっちゃうからね。それに…」
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