光輪学院高等部・『オカルト研究部』
もがくように、何かを掴みたいのか、その手達は蠢いている。

神無月は口の中で呟いた。

―私に触れるな―

びくっ、と手の動きが一時止まった。

神無月の<言霊>の力が、手達に浸透していく。

しかしまだ、だ。

神無月のこめかみに冷たい汗が流れる。

この手達にも、本体がある。

この広い校庭のどこかにある本体を見つけなければ、封印は出来ない。

「消耗戦はゴメンよ!」

そう言って走り出した。

手達は神無月を捕まえようともがくも、<言霊>の力の影響で触れられない。

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