光輪学院高等部・『オカルト研究部』
「「ぎやぁああああ~!」」

廃墟に二人の声が響き渡った。

二人は部屋を飛び出した。

ちなみに九曜が惹きやすい異形のモノとは、恐ろしい異形のモノではない。

どちらかと言えば単色で、幼稚園児でも描けそうなほど単純な姿・形をしている。

言わば低級―である。

時々中級も混じるが、追いかけて来るのはもっぱら低級である。

「わああ~! 追いかけて来るなぁ!」

「ねっねぇ、九曜! 私、思ったんだけどさっ!」

「何ですか! 神無月先輩!」

「生き物って逃げるものを追いかける習性があるんだって! 逃げなきゃいいんじゃないの?」

「止まったら止まったで、ヤツらの餌食になるだけです! 生気、吸い取られたいんですかっ?」

「それは絶対イヤッ!」
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