はかなき恋のうた~NAGASAKI・軍艦島


仕事がひと段落して、ペンキが剥げかけたベンチで真琴は体育座りをして両ひじ杖をつき、食い入るような目で真樹の話に夢中になっていた。




「ん、ん、それで、それで…どうなったの?」




ーーと…サラサラのショートヘアと、クリクリっとした大きな瑠璃色の瞳が特徴的な少女は、俺の悲惨過ぎる過去の話に夢中になっていた。






何が楽しいのか…目をキラキラ輝かせて…

という表現が正しいのか…甚だ疑問だが…
その少女の目は確かにそんなふうに見えた。




「うん…それから…。」




と俺がまた話を始めようとした時…その公園にほとんど毎日のように顔を見せる根木ばあさんか俺を呼んだ。


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