はかなき恋のうた~NAGASAKI・軍艦島
外に出ると夕方のどしゃぶりの雨が嘘のような綺麗な月夜だった。二人小走りに駆けている時、真琴の横顔が月明かりに照らされ…とてもこの世のものとは思えない…美しい天使の顔に見えた。




俺のアパートを出て10m程行くと、角のところで消防車が二人の前を駆け抜けた。





「火事…?」


と…真琴が立ち止まってちょっと心配そうな顔で呟いた。



「みたいだな」



その時は、俺も真琴もそれほど深くは考えなかった。


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