はかなき恋のうた~NAGASAKI・軍艦島
消防車を見送り角を右に曲がると真琴の家までは500m位。角を曲がると夜中にも関わらず、先の方には人だかりができていて、空は朱く染まっていた。



真琴の顔色が一瞬で変わったのが暗がりの中の電燈の微かな明かりの中でも分かるほど、真琴の表情は氷で凍りついていた。



「嘘…」



そう言い真琴は走り出し…俺もすぐに真琴を追いかけた。



「おいっ!真琴!?!」





一瞬だけ振り向いた真琴の顔は真っ青で泣き出しそうな声で「アタシん家…家がなくなっちゃう!!」と言って走った。




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