はかなき恋のうた~NAGASAKI・軍艦島
「マサちゃん…お客さんだで」



「あっはい、すみません。今すぐ行きますから」
「悪いけど、俺、まだ仕事だから、また今度」と言って行きかけると…


「今度っていつ?」とまた少女は頬を少し膨らませて尋ねる。



「火曜日以外、毎日ここにいるから」

「そしたら話してくれる?」



「ああ…ん…」
「あ…すみません…お待たせして」



俺はそう少女に言って仕事に戻る。少女はそれでもまださっきいたベンチから大声で叫んでいた。




「絶対だからねっ」



ーーと。



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