はかなき恋のうた~NAGASAKI・軍艦島
ーー彼女…は遠藤真琴、17歳。
今俺が住んでいる長崎のアパートの近くに住む高校3年の女子高生。




俺はというと7年の別居の末…ようやく離婚することができたが、離婚しようかともめていた最中にお袋を死なせてしまい、その代償として親父からは勘当され、実家がある佐賀を出て…人間としての根幹をつくるもの全てを失い…余命1年と宣告された。そしてこの長崎に流れ着いた。



家族をなくし…身内と呼べる人間もなくし…貯金も使い果たし…
さらに…48にもなる俺には、仕事を見つけようにも働き口など見つかる訳もなく…


長崎のグラバー園などの観光地で、若い頃身につけた絵の技術を活かして、観光地にありがちな似顔絵を描く出店を出していた。





少女も絵を描くのが好きみたいで週に2、3回は俺の所に来ては、なんだかんだと…
学校の話をしたり、絵を教えて欲しがったりしていた。


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