はかなき恋のうた～NAGASAKI・軍艦島

「あーーーーっ！もう！！なんでこんな日に雨とか降ってくんのよおっ！！マジついてないしっ！」


と真琴は剣幕顔で…俺を見て


「あ…おじさん…んじゃない…ね…お兄さんっか…ねっ雨宿りさせて」



と制服についた雨の雫を振り払いながら少しだけ顔をしかめ、肩をすくめて雨宿りをおねだりした。



ーーそう…「おねだり」
という言葉がお似合いな彼女の愛らしい仕草に俺は少しだけ…



ーーそう…ほんの少しだけときめいた。



「雨…嫌い？」と俺がきくと、少女は
「好きだけど…こんな日は嫌だよ」と少し顔を曇らせて答えた。



聞いちゃいけないこと聞いたのかも…と思っていると


「ゴメンなさい…嫌な答え方しちゃって」と少女は下を向きながら呟く。