二人で一人〜永遠に
「なら!俺を今直ぐ殺してくれ!!それで俺の眼を…」

〔パチンッ!!〕

俺は、兄貴に頬を叩かれた。

「バカヤロー!!何を言ってるんだ!!千冬はどうする!?お前が死んだら千冬が悲しむだろ!!」

「…兄…貴、俺は……これから……どうしたら……」

俺は、膝から崩れ落ち兄貴の足元で泣いた。

「…琉汰…千冬をちゃんと支えてやれ…お前も辛いかもしれないが…眼が見えなくなってしまった千冬の方が…何倍も辛いんだ……分かるよな?」

兄貴は、俺の背中を擦りながら言った。

「…兄……貴」

手術から九日後、やっと病室に入る事を許可された。

病室に入ると、ベッドの上に千冬は眠っていた……が千冬の眼には包帯が、巻かれていた。

「…千…冬…やっと…逢えた…」

おばちゃんは、涙ぐみながら、呟いた。

「…まだ…目を……覚まさないのよ…」

【?!】

「…ちょ、ちょっと待ってよ!おばちゃん!…俺兄貴から、そんな事、一言も…」

「黙って居てほしいって…お兄ちゃんに頼んだの…」

「そんな……」

俺は、ベッドで眠っている、千冬の手を強く握った。

「…何で……千冬…どうしちゃったんだよ……」

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