二人で一人〜永遠に
「…千冬……千冬が気に入ってた指輪だ……覚えているよな……結婚指輪は、絶対にこの指輪じゃないと嫌だ…って、言ってただろ?……結婚式が楽しみだ……って、あんなに喜んでた……千冬…俺を一人にしないでくれ……俺は、千冬が傍に居ないと……駄目だ……早く目を覚ましてくれよ……」

涙を流す俺の横で、千冬は、何も反応なく眠っていた。

おばちゃんが、病室に戻って来てから、俺は兄貴の所へ行った。

〔ゴンゴン!!〕

〔ガチャッ!!〕

「兄貴!!」

俺は、部屋のドアをノックして返事を聞かない間に、部屋を開けた。

「琉汰!?」

兄貴は、ビックリした顔で、俺を見た。

「兄貴!!千冬が、目を覚まさないってどうゆう事だよ!!」

「あぁ…聞いたんだな…おばちゃんから」

兄貴は、肩の荷がおりるかの様に、ため息をついた。

「頭の…、脳の検査は、やれることは、全部したんだ…、異常は見つからないが、なぜか目を覚まさない……」

「じゃー!おばちゃんが、言っていた通り、このまま目を覚まさないって事が、ありえるって事か!?」

兄貴は、腕を組んだ。

「…かも、しれない…」

「………」

俺は崩れた。
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