二人で一人〜永遠に
おばちゃんは、タオルを受け取って、俺の背中を叩いた。

「いっ!ってぇー!」

「外の空気でも、すってきなさいよ!!」

おばちゃんは、千冬が着ているパジャマのボタンを外しながら言った。

「…じゃー、俺一回家に帰るよ洗濯物もあるし着替え取りに行ってくる!」

俺は、紙袋に入っている、洋服を持った。

「言ってくれれば、洗濯してくるのに!」

おばちゃんは、ボタンから手を放した。

「ううん、いいんだよ!んじゃー、少しお願いね!」

「少しだなんて、いいのよ!ゆっくりで!気を付けるのよ!」

「はーい!」

【………】

病室を出た俺は、兄貴の所に行った。

「琉汰!」

「悪いな…診察中に…兄貴、また頼むよ…」

俺は、兄貴に洋服が入った袋を渡した。

「琉汰…」

「………」

「いい加減にしろよ…もう一度ちゃんと、御袋と…」

「無理だ!…話しても分かってくれないよ…」

「俺も、御袋に話してやるから!」

「兄貴が、話しても無駄だ…千冬と別れさせろって言われるだけだ…」

「…近いうち、俺と帰ろう…分かったな!?」

兄貴は、俺の肩を叩いた。

「…仕事中悪かったな…」



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