二人で一人〜永遠に
あの時……千冬が勧めた服を買っていれば、運命は変わっていたのかな……。

買い物を終えた、俺は山下公園に来た。

露天で買ったポップコーンを鳩に向かって投げた。

「………食え」

『ねぇー!ちょっと!一羽だけにあげないで、皆にあげなさいよ!』

千冬は、俺が持っている、ポップコーンを奪おうと、俺の腕を引いた。

『うるせぇー!俺は、この鳩が気に入ったの!』

『あ゙ぁー!ヤダ!!ケチな男!!』

『お前!…ケチ…って言ったな!?』

『言ったわよ!それが何か?』

『俺のどこが、ケチなんだよ!?』

『平等にできないところよ!』

千冬は、ベンチから立ち上がり、俺に指差した。

『指差すな!!』

俺は、ポップコーンを持っていた手で、千冬の指を退かそうとしたとき…。

『あ゙ぁー!!』

俺と千冬は、同時に声を出し、地面に散らばったポップコーンを見つめた。

『…私のせいじゃーないわよ…』

千冬は、二歩下がりポップコーンに群がる鳩を見ていった。

『…お前が、悪い…』

俺は、二歩前に出ていった。

『……逃げるが勝ちー!!』

千冬は、ちょっと舌をだし、その場から走り出した。


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