二人で一人〜永遠に
「ちょ、ちょっと待ってよ!おばちゃん!…何を言ってるんだよ!」

俺は、千冬の手を離した。

「…考えてたのよ…このまま、琉汰を千冬の傍に居させていいのかって……千冬が、もし目を覚ましたとしても…眼は、見えなくなってるのよ…千冬は、もう琉汰の顔を見ることができない、そんな千冬の傍に居ても…」

「やめてくれ!」

〔ガタッ!!〕

俺が、座っていた椅子が床に転がった。

「…どうして急にそんなこと…俺は、千冬の元からは離れない!!」

【……!?】

俺は、ソファーに置いてある、カバンが目にはいった。

「……これ……」

俺は、カバンを触りチャックを開けた。

【!!】

カバンの中には、綺麗に畳まれた洋服が入っていた。

「…御袋が…ここに来たんだな…」

「…琉汰の事…心配してた…千冬の事なら…私が居るから平気よ!だから、もう……ここには来ないでほしいのよ…」

「…ふざけるな…」

俺は、御袋に対して怒りが込み上げてきた。

「琉汰…」

おばちゃんは、俺が強く握りしめる拳を見ていた。

「俺は千冬と別れない!眼が見えなくても、俺は千冬と結婚する!!」

俺は、病室を出た。

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