二人で一人〜永遠に
おばちゃんは、兄貴の言葉を聞き、床に崩れ泣いた。

「…悪い…琉汰」

「………」

「…千冬に…何て言えば…」

おばちゃんは、泣きながら言った。

「…俺から話す…千冬に…」

「琉汰、それは俺から…」

「俺が話す!…俺が…」

俺は、両手を握りしめ、病室を出た。

〔ガチャ!!〕

俺は、病院の屋上の扉を開け、青空を見上げ目から流れ出る涙を押さえた。

「…なんで…なんでなんだよ!!……千冬……俺が……お前の眼となって……千冬を……守っていく……」

コンクリートを叩いた手が、赤く染められていた。

病室に戻ると、おばちゃんは椅子に座って、肩を丸めていた。

「…おばちゃん…」

「…琉汰」

おばちゃんは、タオルで口元を押さえた。

「…千冬は?…」

「もうすぐ…帰ってくるわ…」

「…そう」

俺は、ソファーに座り、目を閉じた。

「…琉汰…」

「ん?…」

目を閉じたまま、俺は、返事をした。

「…やっぱり、琉汰は千冬と別れた方がいいわ…」

【!!】

「なっ…何言ってんだよ!!俺は、もう…」

「千冬の事を想うなら!別れてほしいのよ!!」

「無理だ!!」



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