二人で一人〜永遠に
「平気…ねぇ?琉汰、私…外に出たいな…」

「外?…」

「うん、外の空気が吸いたい」

【………】

「よし!分かった!外に出よう!」

俺は、千冬の手を握り言った。

俺は、おばちゃんと兄貴に黙って、千冬と外に出た。

千冬は、海が見える場所に行きたいと言った。

「ここに座ろう」

「…うん」

俺は、千冬の肩を抑えながら、ベンチに座らせた。

「琉汰?ここは?どこ?」

千冬は、俺の腕を握りながら言った。

「丘の公園だ…ここは、俺が千冬にプロポーズした場所だ!」

「うん、覚えてる!」

千冬は、久しぶりに笑顔を見せてくれた。

「もう一度…ここで…千冬にプロポーズをしたい…」

「琉汰…」

「これから…これから俺が話す事を、聞いてほしい…」

私は、隣に座る琉汰の声が、震えているのが分かった。

【話し…】

「話しって…」

俺は、千冬の冷たい手を、両手で包み込むように握った。

「…千冬……千冬の眼…眼は……」

「眼…は……」

「…見えることが…できない…んだ…」

「…眼が…見えなく……嘘…琉汰…そんな悪い嘘やめてよ!…」

千冬は、無理に笑顔を見せた。



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