二人で一人〜永遠に
琉汰の言葉に私は、動揺した。
【最後…】
「…もう、千冬を苦しませたくない…千冬が、俺の存在が邪魔なら…来ない…」
「………」
「千冬!…」
お母さんは、私の名前を呼び、腕を掴んだ。
「…ありがとう…私の気持ちを分かってくれて…」
「千冬!本当にそれで!…」
「いいのよ!お母さん!私が望んだ事なのよ!」
私は、お母さんの手を離した。
「…琉汰…お願いって…何?…」
私は、少し左に頭を動かし琉汰が立っていそうな場所に向いた。
「…最後に…デートを…俺とデートをしてくれないか……」
【…デート…】
「……今さら…」
「最後なんだ!!これで、もう千冬の前には現れない…頼む…千冬…」
「……分かっ…たわ…」
「ありがとう…」
「…辛い別れかたわ良くないもんね…」
千冬は、にっこり笑って言った。
俺は、病室の前で千冬を待っていた。
【…千冬…ごめん…】
「…琉汰」
【!!】
病室の扉の前には、千冬が洋服に着替え立っていた。
「…千冬」
俺は、その先の言葉が出てこなかった。
「…洋服久しぶり」
千冬は、恥ずかしそうに言った。