二人で一人〜永遠に
【!!】
突然、琉汰は私を抱きしめた。
「…琉汰?」
「…綺麗だよ…千冬…」
【琉汰…】
「…ありがとう!」
〔ポンポンッ!〕
私を抱きしめる琉汰の背中を私は、叩いた。
「…今日は、笑顔でいようね!…いい思い出を作ろうね!」
千冬は、俺に笑顔を見せた。
「…あぁ…最高の思い出を作ろう…」
私は、琉汰の腕を掴み耳に入ってくる、車の音や人の声を聞きながら、歩いていた。
俺の腕を掴み、不安そうな顔をしている千冬の肩に手をおき体を引き寄せた。
「…これなら何も怖くない」
「…琉汰」
俺達は、中華街通りを抜け市場通りで足を止めた。
「いい匂いだな!腹減ったか?」
「豚まん食べたい」
俺の方に顔を向け言った。
「よし!二人で半分だ!」
「うん!」
私が、いつも豚まんを半分しか食べないのを知っている、琉汰は豚まんを一個買った。
俺達は、豚まんを食べ歩きながら、東門を抜け山下公園に着いた。
「ねっ!鳩はいる?」
「居るよ!千冬の足元に三羽来てる」
「本当!ねっ!ポップコーン!」
千冬は、急かしながら俺に言った。
「…この辺かな?」