二人で一人〜永遠に
「…あぁ」
「近くのお店を見て…それと何かいい匂いしない?……甘い匂い……それに…」
「あっ!……」
「分かった?!」
「あぁ!分かった!千冬の大好物!!」
「せーのっ!」
『クレープ!!』
私達は、声を揃えていった。
「そう!この前を通るたんびに私は、クレープを買って!琉汰はコーヒーを買ってこの町を歩いた…」
千冬は、懐かしそうに言った。
「…指輪を買うなら、このお店で買いたいって駄々を捏ねたよな…」
「うん…」
俺は、指輪を買いに行く日の事を思い出していた。
『決めた!』
『何が?』
『指輪!』
千冬は立ち止まって言った。
『早いな?優柔不断が有るのに?』
『まぁーねっ!』
千冬はニヤッと笑っていった。
『で?どこの店だ?』
俺は辺りを見渡した。
『ここよ!目の前にあるでしょう!』
『ん?』
俺の目の前には、三階建てのビルが在り一階には、雑貨屋のような店……二階にはアメリカの旗が窓に貼られてあり……三階には……骸骨が、窓の外を眺めていた。
【………】
『…おい…冗談だろ?こんなビルの中に、結婚指輪が…』
〔パチッ!〕