二人で一人〜永遠に
隣に居る千冬を見ると、目を輝かせてお婆ちゃんの話を真剣に聞いていた。
『ねっ!永遠の鈴だって!凄いね!』
店を出た千冬は、二つの鈴を大事そうに手のひらに乗せていた。
『…バーカ!そんなもんあるわけないだろ?!』
俺は鼻で笑った。
『………』
信号待ちで、足を止め横を見ると千冬の姿は無かった。
『千冬?』
俺は、後ろを振り返った。
振り返ると千冬は、橋の上で立って俺を見ていた。
『何してんだよ?早く来いよ!』
『……嫌!』
『………』
俺は、橋の上で立って居る千冬の元へ歩き出した。
『…何怒ってる?』
俺は、千冬の腰に手を回し言った。
『………』
『ん?…』
『…そんなもんないって…』
『えっ?…』
『…永遠なんて無いって言ってるように聞こえた…』
千冬は、眼を潤ませ言った。
『違うよ!そうゆう意味で言ったんじゃ…』
『じゃー何よ?』
俺は、困った…なぜかと言うと…本心を言われたからだ…。
『…鈴を持っていれば…永遠に居れるなんて……凄いよな!』
俺は、笑って言った。
『……この鈴…琉汰にあげない!』
『えっ?』