二人で一人〜永遠に
『…琉汰は、鈴を持っていなくてもいいんでしょう?なら、この鈴は海に!』
【!!】
『あっ!おい!』
千冬は、橋の上から腕を振り上げ鈴投げた。
〔チャポンッ!!〕
『おい!!』
『何よ!』
千冬の顔が怖かった。
『…捨てること…ないだろ!』
『永遠を信じてないなら!鈴を琉汰に渡してもしょうがないじゃない!だから捨てたのよ!』
『俺が言いたいことは!鈴を持っていなくても俺達は死ぬまで二人で永遠に居れるって事を言いたかったんだよ!!』
俺達の横を通る人達が、俺達を振り返りながら見ていた。
『…捨てるわけないでしょう…』
『えっ?!』
千冬は、ポケットから鈴を出し二つの鈴を重ねた。
『はい!…』
『あっ…』
千冬は、俺の右の手のひらに鈴を乗せた。
『…ずっと一緒…永遠だからね!』
千冬は、いつもの笑顔で微笑んだ。
『あぁ!…』
俺は、鈴を握り千冬を抱きしめキスをした。
「…あの時のお婆ちゃん元気かな?…」
「行ってみるか?一年ぶりに!」
「うん!」
店に入ると、俺達の顔を覚えていてくれたのか、おばさんが声を掛けてきた。