二人で一人〜永遠に
「千冬!!……」
俺は、千冬を引き寄せ強く抱きしめた。
【このまま…このまま時間を止まってくれ】
俺の腕に凭れる千冬を、俺はしっかりと受け止めながら病室まで千冬を送った。
「…今日は、1日俺に付き合ってくれて、ありがとう…」
「ううん!私が付き合わせたような感じだったから、ありがとう琉汰…」
「…これでもう、千冬には会いに来ないよ…」
「……うん…」
俺は、千冬の手を握った。
「……千冬と出会って、千冬を好きになって愛する事ができて…俺は幸せだった…本当幸せだったよ、千冬…」
【…琉…汰…】
「…私も…私も琉汰を愛する事ができて本当に良かった……本当に…」
「泣くな…泣かれたら千冬を離せなくなってしまう…」
俺は、千冬の涙を拭いて千冬の頭をポンポンと手をおいた。
「…ごめん…」
「…じゃーなっ!」
千冬の手を俺は、ゆっくりと手を離した。
「…琉汰…」
【…行かないで…琉汰…私の傍に居て!】
静まり返った病室の扉が、ゆっくりと開く音が聞こえた。
「………」
俺は、扉を開け後ろを振り向こうとした。
私は、ベッドのシーツを握った。